マリーゴールドの花束

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辿り着いた先は近所の公園。 そう言えばこの公園のすぐ裏手には小学校があって 定期的にチャイムが響くんだと思い出せたのは前に ここで休んだことがあったから。 それはちょうど元彼と別れた直後。 会社を辞めようかと悩んでいた時だった。 あの時の私が座っていたベンチに腰掛けている一人の青年。 俯いているから顔はよく見えないけど、あれは 間違いなく光君。 息を整えながらゆっくり近づくと、足音で気づいた のかピクリと肩を揺らした。 でも、顔を上げることはない。 視線は地面に落とされたまま。 「ここに居たんだね。」 「………。」 あの時とは逆に、私が光君の隣にそっと座る。 サラサラとした黒髪が風に揺れていた。 とても静かな時間。 気まずさはない。 ただ、何から話したらいいか分からないだけ。  そっと息を吸った私は隣に話しかける。 「電話ありがとう。私は光君の連絡先を知らないから探し回っちゃった。」 「………。」 「手紙も、ありがとう。」 「………っ。」 その時、少しだけ彼が反応を見せたのを私は 見逃さなかった。
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