シオン

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次の日、朝一番で診察をしてもらって何の異常も なかった私はすぐに退院することが出来た。 突然のことだったけど、たった一泊の入院だった から荷物らしい荷物はない。 強いて言えば清子さんが買って来てくれたお見舞いの品と、シオンの花だけ。 家に帰ってすぐにシオンを花瓶に生けた私は さっそく花言葉を調べてみることにした。 載っていた記憶はないけど、一応本から調べて  みる。 するとやっぱり載っていなかったから、結局スマホで検索することにした。 “シオン”“花言葉”で検索をすると数秒もしないうちにパッと、画面に表示される。 「君を忘れない…」 それはまるで別れの言葉のようで、いても立っても 居られなくなった私は慌てて花屋に向かった。 走りながら考える。 光君は…もう私とは会わないつもりなのかもしれ ないと。 走るのは得意じゃないけど、全力で走った私は店先に清子さんの姿を見つけて駆け寄った。 「清子さん!」 清子さんが振り向く。 そして私を迎えてくれたのは、いつものあの穏やかな笑顔ではなかった。 何だか胸騒ぎがする。
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