1321人が本棚に入れています
本棚に追加
「久しぶりの再会なんだから、これを飲んで少しは頭を冷やしなさい」
ルーシーさんはエリーにそう言った。
「それで、何の用なの?」
「電話したじゃん!」
「パパ」の言葉に、私は思わず声を荒げてカウンターを平手で叩いてしまった。汗のかいたグラスがほんの一瞬だけ宙に浮いたが、氷がガラスに当たる音を響かせながら、元いた位置からわずかにずれてカウンターの上に戻った。
「なんで出てくれなかったの? 留守録にもメッセージ残したんだよ」
(続く)
最初のコメントを投稿しよう!