(二)

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「久しぶりの再会なんだから、これを飲んで少しは頭を冷やしなさい」  ルーシーさんはエリーにそう言った。 「それで、何の用なの?」 「電話したじゃん!」  「パパ」の言葉に、私は思わず声を荒げてカウンターを平手で叩いてしまった。汗のかいたグラスがほんの一瞬だけ宙に浮いたが、氷がガラスに当たる音を響かせながら、元いた位置からわずかにずれてカウンターの上に戻った。 「なんで出てくれなかったの? 留守録にもメッセージ残したんだよ」 (続く)
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