(二)

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 しばらくの沈黙のあと、私は「パパはどうして、ママと別れたの」と聞いてみた。 「あっちが……、ママが男というものに幻想を抱き過ぎだったの。だから別れたの」 「『男は男』っていう『男らしさ』みたいな型にはまったことがイヤになったのよね」  ルーシーさんが笑って私の方を向いた。そして「私もおんなじ」と付け加えた。 「ともかく、あたしは行かないわ。ママかおじいちゃんおばあちゃんに頼みなさい。いいわね」  「パパ」であるエリーは、強い口調でそう言った。 (続く)
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