月光と怪物

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 千堂さんだ。と、思った。  それ以来、私は千堂さんが気になって、毎日のようにコンビニをのぞいた。千堂さんは大学生なので、ほとんど放課後にいる。大体、火曜日と木、金曜日に勤務している。土曜日に登校した時は朝からいた。だから恐らく週四日勤務なんだと思う。姉に聞いたら、やっぱり週四日だった。  千堂さんが私を「お客さん」として認識し始めたのは、「ゲットくじ」の頃からだ。私には推しのアイドルがいる。千堂さんのコンビニで「ゲットくじ」を購入すれば、必ずそのアイドルのグッズがもらえるのである。  何日から、とネットで見て、すぐに千堂さんのコンビニに行った。しかし「ゲットくじ」はまだだった。 「……あの。〇〇のくじ引きって、今日からではなかったですか」  レジには千堂さんしかいなかったので、思い切って聞いてみた。  千堂さんは「ちょっと待ってください」と店の裏に入って、また戻ってきた。 「ゲットくじですよね。明日からですよ。明日の一時」 「あっ、あ、明日」 「はい」
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