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しばらくそのまま壁にもたれていると、携帯の画面が暗くなり笑っている2人もいなくなった。このパーティーを仕切っているスタッフさんが心配をして声をかけにきてくれたのをきっかけに私は席へと足を進めた。
「おかえり」
「ただいま。ごめんね」
謝りの言葉を口にした私に、大丈夫だよ。と答える彼にふと昔の思い出がフラッシュバックする。
なにか、私にとって嫌なことがあってそのままヒロくんと会った時に不機嫌な返ししか出来なくて、それに対して何も言わない彼に対しても苛立って、帰る!か、もう知らない!とかを言い放って彼の家をでて近くの公園のブランコに座っていると、彼からメールが届いた。
内容は、いつでも帰っておいで。
その一文をみて私は彼の家に走って戻って、いつもはならさないインターホンを鳴らした。ガチャりと開いたドアのその先にはいつもの彼がいておかえりとひと言。私は「ただいま。ごめんね」といって彼の広げられた腕の中へ飛び込んでいた。その上から聞こえてきたのはいつも以上に優しい声色の大丈夫だよ。
あの時とは状況も関係もまったく違うけれどとても安心してしまって、涙が出そうになるのを堪えて彼の横へ腰をおろした。
「ねぇ、これ終わってからさ4人でご飯いかない?」
戻ってきた私をやっときたーとでもいうかのように悪友がニコニコ顔で提案をなげかけられて、いいよ。と答える。それからしばらくしてパーティは終わりを告げて、私たちは近くの居酒屋に移動した。
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