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そのあとは、さっきの延長線上でひたすらふたりは自分たちの理解を深めていた。
好きな食べ物、嫌いな食べ物、好きな音楽、好きなこと、どこからそんなにも話題が溢れてくるのか疑問に思うほどに、でもそれは側から見てとても幸せに映った。
「俺たちも、こんな時期あったよな」
「うん。そうだね、あったね」
「真似っこしてみる?」
そうふざけたヒロ君に私は笑ってから、全部忘れたよ。と言うと俺は覚えてるよと真剣な表情でこちらを見る。
「バカだね…ねぇ、未来の話をしようよ。」
「未来の話?」
「そう、子供ちゃんは何て名前なの?」
「フユキだよ」
「冬生まれなの?」
「いや、夏」
テンポ良く会話してたのを遮ったのは私の笑い声。声をあげてケラケラとお腹を抱えて笑った。それは嫁が考えたんだよと言い訳のようにいうヒロ君は少しだけ恥ずかしそうに笑った。
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