空へ

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「はぁはぁはぁ、ちっ ファイアーアロー!」 後ろに向って魔法で炎の矢を放つ。 追手はこの攻撃によってしばし足止めをくらう。 その間に俺は必死になって走って逃げた。 そうここはダンジョン。 中級冒険者なら簡単においしい獲物を ゲットできる位の地下迷路だ。 このダンジョンは何階層にもなっていて、 俺の組んでいていたメンバー(パーティー)は 大体地上から1~3階で獲物を探していた。 あの日、俺達は地下のそのダンジョンに潜った。 大した獲物に恵まれず、俺も含めパーティーのメンバーも 奢りがあったのかもしれない。 その日は何気なくメンバー間の雰囲気で もう一階下の4階で獲物を探そうということになった。 俺達の冒険者経験値もかなり溜まっていて、 冒険者ギルドでも、もう少ししたらベテランについていって 下の階で獲物を狩ってもいいだろうとアドバイスを受けていた。 だが、それが仇となった。 モンスター”フィアリー”そう、恐怖を操る妖精と出くわしたのだ。 奴自身は大した力はない。 だが、フィアリーの幻術をくらった俺達は、 自分の中の恐怖の幻覚をまざまざと目の前に視覚化されて 恐慌状態になった。 そう、仲間同士で攻撃しあったのだ。 魔法戦士だった俺は比較的かかりにくく なんとかみんなを止めようと奮闘した。
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