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私、上原里子は
起業をしても成功を収めるだろうと言われている、
一流企業のエリートサラリーマン、
中野博人とひょんなことから交際を始めた。
そして今日ー
「・・・・お父さんお母さん今まで
育ててくれてありがとう」
と涙ながらに父母への手紙を結婚式場で読んだのだ。
「新婦がいかに愛され、温かいご家庭で
育ってこられたのか分かるようです。
それでは皆様、場所を変えまして、
新婦とご友人達によるブーケトスを行います。
係の者がご誘導いたしますので
皆様そろってご参加、お見守りをお願いいたします」
そして私は博人の腕に手を回し、
式場の外の広間へと出た。
そして、広間で回りを参加者が囲む中、
独身女性たちが一か所に集まり、
そこから少し離れた場所に私は一人立ち、
彼女達に背を向けた。
そして
「せーのっ」
と言ってブーケトスをした。
わぁっと歓声があがり、
振り向くと同僚の鍋坂歌子がブーケを手にしていた。
私は彼女に近づくと、
「おめでとう、次の結婚式は貴女の番ね」
すると歌子はにっこり笑って
「ええ、そうね。ありがとう
博人さーん、私ブーケ取ったわよ。
私と結婚してくれるわよね」
「しょうがないなぁ、歌子は。
そういうわけだから、里子。
僕は彼女ともう一度結婚式をあげるから。
それじゃぁね」
私は呆然として腕組みをして去っていく
二人を見送るのだった。
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