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「別れた理由は聞かないけどさ、向こうは結婚したいとか言ってなかったの?」 「言ってましたね。俺もその予定だったし」 「じゃあ、なんで別れたの?」 「……別れた理由聞いてますよね? それ」  あまりの会話の進まなさに、私は呆れを通り越して噴きだしてしまう。 「なんか全然合わないよね、穂高君と私」 「……そうですか?」 「仕事では本当に頼りにしてるし、私にないもの持ってて尊敬もしてるんだけど、こう、プライベートな会話をするようになってから、ホント噛み合わないなーって実感してる。歳の差のせいかな」  あれ? そういえば、プライベートな話をするようになったのって、ここ最近だな。なにがきっかけだったんだっけ? まぁ、いいか。 「だってほら、中嶋ちゃんとは同じ20代同士超仲良しじゃない。そうそう、この前、中嶋ちゃんに穂高君をお薦めしといた。けっこう、なくはない感じじゃないかな、と思うんだけど」
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