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「ねぇ、あの子いつも流行りの歌とか踊りとか、あと衣装も、いつも流行りのものばっかりだよね
自分の歌とか、踊りとか、そういう自分の意思みたいなの、ないのかな?
なんだか量産された無個性な人形みたいに見えるね」
「私ね、さっき見ちゃったんだ、一瞬だけど鏡に映ったあの子の姿
ツギハギだらけで、しかも全身に糸がついてたの
まるで、マリオネットみたいな」
「なにそれ?
じゃぁ、あの子は自分の意思でやってるんじゃなくて、誰かに操られてやってるってことなの?」
「本当にそうなのかどうかはわからないよ
けどさ、あの子、すごく幸せそうに見えない?
自分の姿を知っててなのか、知らないでなのか私にはわからないけど」
「確かに、そう見えるかも
本人が幸せそうならそれでいっか
私たちが口出しするべきことじゃないのかもね」
私は今、誰よりも私らしく生きているんだ
私は歌う、自分の歌いたい歌を
私は踊る、自分の踊りたい踊りを
私の踊りを見て、私の歌を聴いて
この舞台は私が主役、私が、私が、私は……、私なんだ
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