死闘、そして、勝利

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死闘、そして、勝利

 おぞましい雄叫びをあげて挑む者を震え上がらせ、いてつく吹雪を吐き出し全ての物を凍りつかせる大魔王・ハルヴェスを前に、フリオーソは伝説の剣・デュランダルを構えて敢然と身構えていた。 「こしゃくな!これでも喰らえ!」  ハルヴェスはそう言い放ち、筋骨隆々のその両腕を天高く振り上げ、そしてフリオーソめがけて一気に振り下ろした。 「今だ!」  フリオーソはハルヴェスが腕を振り上げたその瞬間に叫んだ。両腕を振り上げたハルヴェスのみぞおちを守るものはなく、そこをデュランダルが激しく貫く。ハルヴェスの傷の外には無数の青白い光が放たれ、その光はハルヴェスの皮膚、血管、そして体の中枢を焼き尽くしていく。 「う、うがぁぁぁ。体が熱い、体が、体がぁぁぁ!うぎゃばふ」  ハルヴェスはそう断末魔を残し、そのまま消えていった。  かくして世界に平和が訪れ、フリオーソはこの世界を救った英雄となった。彼の故郷であるバレストリアの国ではフリオーソは大勇者として誰もが知る存在になり、フリオーソが故郷に錦を飾ったその日には祝いの宴が夜遅くまで続いた。  そして、夜が明けた。
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