カフェの女

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※ ※ ※ 雄太はまた海外で働こうと思うと妻に伝えた。妻は「私ももう一度チャレンジしてみる。」と言った。ユキのことも、最後にはユキなら一人日本に残っても大丈夫だと納得してくれたようだった。雄太も妻もユキも、それぞれ皆変わった。しかし雄太たちが家族であることは今も昔も変わらないはずだ。 「ねぇ、どうしたの?急に一緒にご飯食べに行こうなんて。」 妻が助手席に座り、ユキが後方席にいる。 「昔はこうやってたまに外食してなと思ったら懐かしくなってな。」 「日本にいた頃だよね。私憶えてるよ。回転寿司。」 バックミラーに写るユキはいつもより子供っぽく見えた。今の雄太は少しだけ世界が確からしいものに感じられた。
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