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夜中に仲間と爆音を鳴らしながらバイクで街を駆け
抜けた。
世間ではあたし達みたいな奴等のことを不良とか
ヤンキーとかレッテルを貼って、まるでゴミを見るような目で見てくる。
そんな周りの人間全てが敵だ。
味方なんて一人も居ない。
両親の居ないあたしを引き取ったジジイだって
本当は邪魔だと思ってるに違いないんだから。
どうしてあたしはこの世に生まれたんだろう?
何のために生きてるんだろう?
全部全部憎かった。
あたしを邪魔者扱いするこの世界も、どこに居るのか生きてるのかすら分からない父親も。
こんな世界に産み落とした母親も。
「あぶねぇっ…!!」
思った以上にスピードが出てたらしい。
警察に追われていたから尚更。
仲間が声をかけた時にはもう、トラックとぶつ
かったあたしの体はバイクごと弾き飛ばされて宙を舞った。
そのままあっと言う間に地面に叩きつけられて
あまりの激しい痛みから意識が遠のいていく。
バイクのエンジン音、パトカーのサイレン、そして誰かの声。
だんだんそれすらぼやけていく。
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