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求められたい
日曜から月曜に日付が変わる時、僕はいつも「悪い大人」といる。
「ん……」
身体が重い。
ゆっくり目を開けると、暗い部屋の中、柔らかい明かりに照らされたベッドサイドテーブルが視界に入った。
ホテルの名前入りのメモ帳の隣に、海外の高級ブランドの腕時計が置かれてる。文字盤は真夜中を少し過ぎた時刻を示してた。
ズキ、と胸が痛む。それが何を意味するか、僕はもう理解してる。
「起きたか?」
声とともにきれいな手が伸びて腕時計を取った。
なめらかなバリトンに胸が震える。
「冬夜さん……!」
まだいる……!
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