哲学おじさん

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「なにい、靴は文明が発達した証拠だっ!」 哲学おじさんは、そのまま、リビングへ入る。 テーブルの上に、お母さんが、ぼくのために買ってきてくれた ショートケーキがあった。 哲学おじさんが言う。 「正明。いいか、ここにケーキがある。しかし、人間が ケーキと認識してのみケーキとなり得る」 ぼくは言った。 「……おじさん、何言ってるか、分かんないよ」 「いいか。実存主義とは、理想を言う前に、そのままを受け入れるんだ」 と言うと、哲学おじさんはぼくのケーキをぱくりと食べた。
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