哲学おじさん

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「あーーー!!! ひどい! おじさん!」 「これぞ、実存主義」 そして、哲学おじさんは小声で、お母さんに聞こえないように言った。 「いいか。正明。これからは、ご飯の時は好きなものだけ 食べるんだ」 「えーっ? お母さんが怒るよ」 「そん時は『ジツゾン!』と言うんだ」 なんか、ぼくは訳が分からなかったけど頷いた。 翌朝になった。 窓から、ヤクルトのおばさんが通るのが見える。 朝食で、ぼくはおじさんの言う通り好きなウィンナーだけ食べた。 やっぱり、お母さんが怒った。 「正明! 野菜も食べなさい!」 ぼくは言った。 「ジツゾン!」
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