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🎵移り気なアナタに🎵
“ねぇお姉ちゃん……私、気付いちゃったんだ”
🎵抱かれてしびれた🎵
“お姉ちゃんと私はやっぱり姉妹なんだなって”
🎵ほんのチョットだけで🎵
“よく似てる”
隣で寝息をたてているヒロシを見る
🎵こんな気持ちになるなんて🎵
『…………』
“だんだん似てきちゃったんだ”
🎵悪い人だと思うけど🎵
“好きなものも……”
🎵Sha-la-la 夢のように暮らしたものさ🎵
“食べ物の好みも服の好みもなんとなく同じだったっけ”
🎵心から……🎵
“サザンも……そうだね”
🎵恋してる🎵
“あと………”
もう一度、隣を見る
『…………』
🎵海辺へ通う道🎵
“絶対に内緒なんだ……私だけの心にしまっておくから……”
🎵真夏の出来事……🎵
『…………』
🎵ほんのチョットだけで🎵
“お姉ちゃん……私、二十歳になったんだよ”
🎵心変わりがするなんて🎵
“おめでとうって言ってよ……”
🎵他の誰かを愛してる🎵
いてもたってもいられず
バッグからスッと取り出す封筒
🎵Sha-la-la 見つめ合ってその気にさせて🎵
そこに書かれた姉の懐かしい文字
🎵今頃は……🎵
《二十歳の海へ》
『……………』
🎵どこにいる🎵
意を決して封筒を開ける
4年間――この日が来ることをずっと待ち望んでいた
🎵時折名前を呼んでみた🎵
“お姉ちゃん……”
🎵つれないこの気持ち🎵
『…………』
中の便箋は驚くほどに色あせていなかった
🎵言葉じゃ🎵
《海へ》
🎵言えない🎵
《20歳の誕生日おめでとう!》
🎵“好きよ”🎵
“…………”
🎵All I need is you🎵
《海が20歳になるなんて未だに信じられないよ》
“…………”
《私の中で海は、本当にちっちゃい妹のままで》
“…………”
《可愛くて、甘えん坊で、いつも私のそばに離れず、ついててくれていたよね》
“…………”
《でも、とってもしっかりしてる面もあって、自慢の妹でもあるんだよ》
『…………』
《そんな海がどんな大人になってるんだろうか……それが今の私の一番の楽しみなんだよ》
『………お姉ちゃん』
《これからあなたは、様々な困難に出会い、挫折したり、涙したりすることもあるでしょう》
『…………』
《でもそんな時こそ、素敵な未来を見てほしい》
こらえ続けてきた涙が……
《あなたが心から守りたい愛する人に早く出会えますように――お姉ちゃんは、ずっと祈っているよ》
やさしく頬を伝う
《今日この日が海にとって、素敵で特別な日になりますように――》
🎵Sha-la-la 見つめ合ってその気にさせて🎵
《2009年7月20日――》
🎵今頃は……🎵
《姉・茅崎 栞より》
🎵どこにいる🎵
『…………』
“……私……あと……3年でお姉ちゃんの年齢に……なるんだよ……”
🎵渚に埋めた……🎵
“……とても……おいつけないよ……”
🎵涙には……🎵
“………でもね………”
🎵秘密の想い出が🎵
“……少しずつだけど……お姉ちゃんに近付きたいんだ……”
🎵言葉じゃ🎵
“お姉ちゃん……”
🎵言えない🎵
“大好きだよ”
🎵“好きよ”🎵
“ありがとう”
🎵Let me kiss you now……🎵
『う、う~ん……栞……』
『え!?』
『安心……しろよ……海……ちゃんは……』
『私!?』
『しっかりした……大人に……なってる……よ……むにゃむにゃ……』
『……寝言か』
“頼りないけど――”
腕組みをしながら隣のヒロシに目をやる
“私が面倒みてあげよっか?”
『そ、それだけは……やめてくれ~……むにゃむにゃ』
『……ふん!』
特別な日はゆっくりと過ぎてゆく
いずれまた来るであろう
素敵な夏を思い描きながら……
海の日のドラマ2009
~素敵な未来を見てほしい~
おわり
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