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キッチンにて、呆然と立ち尽くす直子。
砂糖がたくさんかかっている納豆とトマトが、そこにある。
「かっ……和子さん和子さん!これは、一体どういう事なのかしら?」
「これって?」
スッとボケる和子。
「この悍ましい白い毒物の事です!」
直子、納豆を指差しながら
「あんなものを納豆にかけるなんて、非常識にもほどがあります!やっぱり、今日来て正解だったわ……あんな悍ましいもの、うちのケンちゃんになんて食べさせられないわ。
直子は、持ってきた紙袋から何かを取り出す。
そこには「鰻弁当」と書いてあった。
「今日のケンちゃんのお夕飯は、これにしてもらいますから!」
「あ、有名店の鰻だー。ラッキー」
和子は、満面の笑みで鰻弁当の蓋を開けた。
「やめなさい!あ、あなたの為に買ったんじゃないのよ!あなたは、その忌まわしい物でも食してなさい!」
「そうは言いましても……」
ニヤリと和子は、直子を見ながら。
「うちのケンちゃん、今日出張で帰って来ないので」
「なっ……!」
「それも、ちょうどそちらに行っているはずですよ?あーけんちゃん、お義母様に会いたくなくてだまーってたのかしら?」
「うっ、嘘よ……うちのケンちゃんに限ってそんな……そんな……」
和子は鰻を箸でつまみ
「というわけで、この高級鰻は、お義母様のかわいいかわいい娘の、この私がいただきますわね。おほほほほほほほほ」
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