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おまけ 2
「ところで。俺はアナタをなんて呼べばいいんですか」
「待て。今は話しかけるでない。ミノタウルスが走って——ぬぅおお!? パリィ! よくやったぞ我が分身! おおお!」
いまのはまさしく危機一髪。
画面に宿る我が分身のいのちは、私のマウス捌きにかかっていると言うもの。
ぐおっ! やられてしまった! なんということ。
「名前……」
「私は神の慈悲だ」
そうじゃないと言わんばかりの顔をして寝そべる男に、私はもう一度「慈悲だが?」と告げた。
「じひ、さん?」
「うむ」
「え、慈悲って本当に名前?」
「名前もなにも、私はそういう存在だ。それ以上でもそれ以下でも、それ以外でもない」
「は、はぁ。じゃあ、じひさん」
「なんだ」
「なんで、スキル使わないんですか。ノーマルの殴りだけじゃ勝てないっすよ……」
「…………ショートカットキーとやらが、わからぬのだ」
「…………」
四角畑は覚えることが多くて困る。
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