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2横井太一は知りたい。
「どうなんだろう、結果。」
最近俺はこればかりを気にしている。
それは何か。
あの作文コンクールの結果だ。
このクラスにいる全員書いた。
天草も転校早々書かされた。
その結果がいま気になって仕方ない。
もうすぐ結果発表。
ていうか今日結果発表だ。結果発表は夕方6時から。今回もクラス一番だろうか。
俺は作文が得意だ。それが特技。
これを失えば中途半端な勉強能力と運動能力が残るだけ。
結果発表だ。必死で俺の名前を探す。
最優秀賞でも、優秀賞でもない。
去年は優秀賞、つまり二番目の賞だった。
今回はというとなんと佳作。
佳作八本のうちに入った。悔しい。
こんな、佳作だなんて。
ただひたすら頑張って書いたのに。
最優秀賞を取る人は天才なんだろうかと、
いつも思う。
時期に商品も届く。
佳作は図書カード千円分に、作文掲載だ。
学校に行くのが楽しみで仕方ない。
誰かの前で表彰されるのが好きなのだ。
今回も多分一番だろ、ていうか一番じゃ
ないと悔しい。
このコンテストは結構有名なものだし、
みんなの耳にも入るかもしれない。
まぁ、10月までには届くって書いてあったから、もうじきだろ。
とある日、先生が賞状を持ってきた。
2枚ある、他の誰かも入賞したのだろうか。
早く、自分の結果が見たくて他のこの結果見てなかったもんな。
他の子も入賞してても一番だと嬉しい。
賞は上から最優秀賞(1名)、優秀賞(1名)、
佳作(8名)、入賞(10名)だ。
俺のほうが上の可能性だって十分にある。
さあ、どうだ。
「えー、前に書いた作文のコンテストの商品が届いたので渡します。なんとこのクラスから入賞者が2名。」
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