79人が本棚に入れています
本棚に追加
「今回は、このおかげです」
彼が手にしたのは、飴が入っていただろう、朽ちた小さな袋だ。
「このおかげで、海神様は神であることを保つことが出来た。もうこの飴玉を供えた人のことは、僕にはわからないけどね」
風が吹くと、それは彼の手から離れ空高く舞うと、キラキラと海の波に交じって消えてしまった。
「さて、次の迷子の神様だって。いろいろあるねぇ」
潮風が木々の葉を揺らす。その音はまるで、誰かが笑っているようにも聞こえた。
end
最初のコメントを投稿しよう!