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彼の言う通り、目の前は普通の街並みがある。いや、普通なのか? 大きな、建物? そうだ、目の前にこれが出来て何も見えなくなってしまった。
それにしても活気がない。よく見れば近くの家の窓は割れ、続く道には雑草が茂っている。昔はあれほど多くの人がいて、船が――。船?
「海に、戻りたいですか?」
戻る? 私は海に居たのか? 言われてみれば、確かにいつも海を見ていた、というより海こそが私のいるべき場所であったのに。
「私は――」
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