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母の日が5月にあるせいだ。母の誕生日を、つい忘れがちになるのは。
5月第2日曜日に向けて、デパートもスーパーもコンビニもテレビも通販サイトも全て「母の日のギフトはコレ!」と商品をおすすめしてくれるから、すぐに選べる。そうして一仕事終えた気になって、5月の残りの日をのほほんと過ごしてしまう。
5月の末にある母の誕生日は、自分で思い出さなければ誰もリマインドしてくれない。
仮に思い出せたとしても、今度は何を送るべきか、という悩みが生まれる。送るのが嫌だ、というわけではない。ただ、何を贈ればいいのか、その一点においてたいへん困るのだ。つい先日ギフトを贈ったばかりなのに、また贈るのか。もういっそ母の日と誕生日をまとめて祝う方式にしたい。と思ったところで、同級生の愚痴を思い出した。
「クリスマスと誕生日をまとめて祝われて嫌だ」 これは12月生まれの子供の悲哀だが、5月生まれの母親や6月生まれの父親の子どもでも同じ現象が起こるらしい。
そう、別のイベントであることは百も承知なのだ。イベントと誕生日が離れていれば、まとめて祝われることはなかった。
そうして誕生日当日を迎えてしまった。
今年は新型コロナウィルスの流行のせいでまともに会いにいくこともままならない。
私はともかく、スマホを操作してごくありふれたメッセージを送った。
誕生日おめでとう
いつまでも元気でね
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