リアムはただ泣いていた

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 もっと、時間があれば……。 「この腑抜け魔族が!」  突然、俺たちの秘密の花園を、髭の濃いオークが、ドアを蹴破るようにして入ってきた。白濁した意識で俺は薄暗い部屋の奥にオークを認める。俺は、数か月前にゴブリンに捕まった雑魚で、捕虜。とうとう、ほかの四天王に食われる日がきたらしい。 「ま、待って、もう少しだけ」  リアムが俺に潮吹きさせようと亀頭をぎゅっと握る。 「がああ!」  痛い。爪が食い込んでいる。でも、やめられない。誰が邪魔してこようが最後までやる。俺を最後まで逝かせてくれるんだ。  俺はリアムに気に入ってもらえただけでも幸せだ。無事に噴き出る潮。だらだらと零れ落ちていく。リアムの白い指をひたひらと濡らす。 「ありがとうな」  
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