リアムはただ泣いていた

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 リアムがただ泣いていた。涙にくれて、魔族特有の血の気のない肌の色がさらに透きとおって見える。リアムの涙が音もたてずに俺のかさかさの肌の上に降ってくる。俺に湿った唇を押しつけて。  前歯を押しのけるようにして、赤い舌が俺の口内に入ってくる。待っていた。もう絶対に離さない。リアムのざらざらの舌を、俺は舌で絡めて喉奥まで導く。もう置いて行かせない。  すでに、服を着る習慣のなくなった俺の肩を押さえつけて、リアムは苦し気に唸る。遠慮しなくていいって決めただろうが。我慢ができないのはどっちだ?  リアムを受け止めるように上体を起こす。これから。あえいでくれよ。俺も同じになりたい。俺も混ざりたい。  リアムの薄茶色の長く垂れた髪をかき分けてやる。 「お前も俺の身体触ってくれよ」  早くしろよ。こいつ、まだ指が震えてやがる。 「ぼ、僕はカイのこと。壊したくないんだよ」 「お前の小せえ肉棒なんかで、俺が壊れるかよ。チキン野郎。何度目だ。ふざけんな。魔族なら人間の俺をしっかり逝かせろや」  リアムの申し訳程度にのぞき見える牛のような角に手を伸ばす。ちゃんと、血が通っていて温かい。魔族はずるい生き物だ。角にまでエロいオーラをまとっている。 「ほら、角でも感じてくれるんだろ? 先に逝ったら承知しねぇからな」
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