双子の話

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双子の話

「見て、ヘンゼル。あれはなぁに?」 森を歩く、双子の兄妹。 視線の先にはお菓子の家。 「お菓子の家だ、おいしそう!」 言うが早いか、ヘンゼルは飛び出した。 「ダメだよヘンゼル!あっちへ行こう?」 危険を感じて、グレーテルは困り顔。 「グレーテル!このお家は、本当にお菓子でできているよ!」 無邪気にはしゃぐヘンゼルの手は色とりどりのキャンディーでいっぱい。 「ヘンゼル……やっぱり良くないよ。」 困り顔のグレーテルも、お腹が減って動けない。 ポリポリ、サクサク、カリカリカリ。 森に響くお菓子の音は、次第に重なりとうとう最後は2人分。 魔女の家を齧っているのは、一体全体どこのだあれ?
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