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魔女の章
「ポリポリカリカリ
私のおうちを齧るのはだぁれ?」
魔女は喜んだ。
「おやおや、可愛い兄妹だこと。ほうら、こっちにいらっしゃい。」
久しぶりの獲物だ。それも小さな子供が2人も!
「沢山お食べ。なあに、怖いことなんて、なんにもありはしないんだからね。」
優しく優しく。獲物が逃げないように。
「さあ、今晩はここで寝るといい。」
優しく優しく。獲物に勘づかれないように。
「一体どうやって料理してやろう。鍋で柔らかく煮込んでやろうか。それとも竈で香ばしく焼いてやろうか。」
浮かれた魔女は、自らを縛る運命の鎖に気づかない。
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