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ミキちゃんちから帰ってきたら、お母ちゃんはテレビの前でざぶとんを枕にして眠ってた。
テレビでは、アニメをやっていた。
お母ちゃんが目をさましたら、また「せっかく気持ちよう寝てるとこ起こしてからに!」て怒られそうやから、はなれたところから見た。
ざぶとんの横に紙がおちてた。
あっ!学校から返された作文や!
お母ちゃん、読んでしもたかなあ。
読んだんやろなあ。
わあ!おこられるわ!
嘘ばっかり書いた作文や。
母の日にお母ちゃんにわたすお手紙を書きなさいて言われたんや。
えらい苦労やった。
家のお母ちゃんは、髪の毛もボサボサやし、いつも怒ってばっかりやし、料理もあんまりちゃんとしたもん作ってくれへんし、遊んだり勉強教えたりなんか、1回もしてもらったことない。
ほんまのこと書いて先生に見られるの恥ずかしいもん。
私が小さかったころ、お母ちゃん、もうちょっと綺麗やった気がする。
料理もしてくれてたよなあ。
公園で遊んだこともあった。
お父ちゃんが死んでから、なんもかも……ええことないなぁ。
お母ちゃん、くたびれてる。わかってるけどな。
昔はよかったなぁ。
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