その言葉は希望でした

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都子(まちこ)の初めての赤ちゃんは丸々した女の子でした。 元気よく泣いているのを聞いて都子は安堵したものです。 生まれたのは夕方。朝から陣痛が来たと思えば消えるを繰り返して、やっと夕方に都子のお腹から出てきてくれたのでした。 3140グラムのムチムチした赤ちゃん。 夫の大樹と相談して、事前にお医者様には男の子か女の子かを聞かないで楽しみにすることにしていたのです。 男の子でも女の子でもどちらでも良かったからです。 看護師さんが赤ちゃんを産湯で洗って白いバスタオルに包んで都子の胸のあたりに連れてきて下さいました。 指をなめたり、小さくあくびのような変顔をしたり、表情は正に百面相だわ、と都子は思ったのです。 「あぁ、無事に生まれてきてくれて良かった」都子は、その充実感で一杯になりました。 これから育児が始まる……頑張らなきゃと思ったものの、産んだばかりの都子はまだ本当の意味の育児の大変さを知らなかったのです。
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