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(ねぇ、私の事、覚えてる?)
気が付くと私の目の前には、あの黒い翼の女性が立っている。
(ええ、死神さん)
彼女が口角を少しだけ上げた。
(やっと準備が出来たかしら? 死の世界に旅立つ……)
私は大きく首を横に振ってやった。
(まだよ。私には待ってくれる人が居るんだから!)
その女性が大きく目を見開くのが見える。そして呆れた様に呟いた。
(なんだ、またなの……。まあいいわ。こんな神様のイタズラも面白いわね。また来るわ。多分、遠い未来にね)
再び、彼女は私の前から消えてしまった。
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