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ゆっくり覚醒していった。見渡すと私はベッドの上で酸素マスクを付けて、心電図や点滴を繋がれていた。
ふと気付くとベッドの横に男の子の顔が見える。彼は……誰だろう……?
「……高倉さん、気付いたね?」
私はゆっくり頷いた。
「ねぇ、僕のこと覚えてる?」
私は首を横に振った。でも……、確か……彼は……とても大事な男性。
彼は頷くと、右手に持った物を見せてくれた。それは……?
「これは世界記録のトロフィーだ。君と僕で勝ち取った世界一の証さ。覚えているかい?」
世界……記録。そうだ……。絶対忘れちゃいけない素敵な記憶……。
「……は……はい、覚えてます。や……山本先輩……。私の大好きな……」
彼がいつもの素敵な笑顔で頷いてくれた。
FIN
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