その剣は、誰が為に『想』：RE

ノルヴァークという大陸があった。
東西南北10の国、76の町村からなるこの大陸は周囲を海に囲まれ肥沃な大地の恩恵を受けながらも人の歴史をその地に刻んでいった。

ノルヴァーク歴1000と70年が過ぎた頃、北の地最大の国エルン国がその領土を増やそうと各国と大陸戦争を開始する。

元々科学力においては他の追随を許さなかったエルンに他の国が敵うはずも無く、エルンは次第に領土を増やしていった。
南と西の地にある全ての国を支配下に置き、残る東の大地へとエルン国は進軍を開始した。

まさしく最後の戦いとなるはずだったその時、正体不明の怪物が現れ、両軍に襲い掛かる。
彼らは闇の眷属とも取れる禍々しき姿であり、軍人や民間人など無関係に襲い掛かったのだ。

幻のように唐突に現れ、人を喰らい、幻のように消えゆく…。当初、人々はそれらを『幻獣』と呼んだ。

ノルヴァーク歴1073年。
幻獣の被害が深刻となる。この事実を受けエルン国は戦争中の東の国々に和平交渉を持ちかけ、幻獣の殲滅に集中する為に半ば無理矢理戦争を終わらせようとした。

勝敗の決まりかけていたエルン国の進言を無下にするはずがなく、各国はこれを承諾。
人類間での戦争は終わり、同時に未知の怪物との戦いが開始した。