ぴんく、ぴんく。

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「馬鹿じゃねぇの!?マジで馬鹿じゃねぇの!?細いし小さいしあれの隙間に入ったらどんだけ見つけるのが大変だと思ってんだよ!つか、ベタベタになるだろうがあのへんのもの全部駄目になるだろ!?いやむしろもう捨てろよ、特に小学校の時のアルバムとか卒業文集なんかもういらねーだろ!?」 「仰るとおりで!!」  何かに使えるかなあ、と思って取っておいたわけではない。むしろ見たくないからそのまま押し入れの中の本棚(扱いにくいので、普段見ない本ばかりだ)に強引にねじ込んでそのまま忘れていたのだ。自分でも思う、面倒くさがらずちゃんとまとめて捨てて置けばよかった、と。  私達姉弟が見つめる先。死蔵状態の本棚がどよよーんと鎮座している。順番通りに並んでいないどころか、埃が厚く降り積もり、ピンクちゃんがどうのというのを抜きにしても非常に汚い。  あそこの隙間に入ってしまった、なんてことは考えたくもなかった。たが、本来入れてあった棚の中のケースからもアクセサリーの小箱からも見つからなかったのである。眺めていた時にうっかりあのへんに落としてしまって気づかなかったとか、そういう可能性は非常に高いだろう。 「俺、せっかく風呂入ったのに……また汚れんのかよ、ざっけんなぁ……」  ものすごーく嫌そうな顔をしながらも、彼は掃除機を取りに行ってくれた。どうやら、探すのを手伝ってくれる気はあるらしい。 「マジでごめん、翼ー!」 「今度ハンバーガー奢れよ。マットのトリプルバーガーな!あ、セットでポテトとジュースもつけろよー」 「うげ、よりによって一番高いやつ……」  現金なやつめ。そう思いながらも、私は本棚に手を伸した。ああ夕食前の時間に、こんなトラブルに見舞われるなんて。ほぼほぼ私の自業自得だけれど。  絶対に見つけなければならない。  あれは私にとってかけがえない、大切な思い出の品なのだから。
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