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19階のオフィスからは、遠く富士山が良く見える。今日は天気も心も快晴だ。
頭の中で、バッハの曲が浮かんでくる。オレとバッハの魂はどこかで繋がっているのではないかと思う。
オレがリーダーとなって開発中のプロジェクトはすこぶる順調だ。
会社の中でも頭脳集団と言われているすばらしいチームを率いているからだ。
常務もすこぶる機嫌がよく、労いに一席もうけてくれると言う。
いまの仕事に片がついたら、またしばらく、日本に帰って来られまい。
※
仕事帰りにおでん屋へ入った。
美味しいおでんに日本酒、一人でゆっくり飲むのもいい。そう思ってカウンターに腰掛けると隣の女性に声をかけられた。
「あれっ、三浦さんじゃないですか。私、学生時代の同じサークルの片山です。覚えていらっしゃいますか?」
「お久しぶり、確か二年下の・・・」オレは懸命に記憶をたどった。
「はい、片山優香です」
彼女は、性格は素直、顔立ちも整っている。
誰からも好かれそうなタイプである。社会人になって一段ときれいになったと思う。
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