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聖剣はいずこ?
斬っても撃っても焼いてもだめ。そんな無敵の魔王を倒せる聖剣が、この世界のどこかにあるらしい。
問題はその聖剣を作ったメガミサマが汚部屋の住人であり、あまりにも整理整頓がヘッタクソだったがためうっかり作った聖剣をなくしてしまったらしいということ。
異世界転移で現世から呼び出された勇者チーム総出で女神の部屋をひっくり返して探しても見つからず。やがて、女神はぽつりと言ったのだった。
「もしかしたら、ゴミといっしょに窓から溢れて、外に落ちちゃったのかもしれない!どうしましょ!?」
「はああ!?」
女神の家は、高い丘の上、崖っぷちに存在する。
その窓の下は、精霊が住む“金の斧と銀の斧”で有名な湖。
勇者たちは青ざめた。嫌な予感しかしなかったからだ。すぐに湖に降りて、精霊を呼び出して尋ねたのである。
「すみません、ここに聖剣が落ちてきませんでしたか!?」
すると、精霊は言った。
「あーごめんなさい!三年過ぎても落とし主が現れないので……素直な素敵な男性に、賞品としてあげちゃいました!」
その男性は、自分の鉄製の剣を落とした時、精霊の誘惑にも負けずに素直に“自分の剣は鉄の剣です”と申告した。精霊は感動して、商品として大昔に誰かが落としていったダイヤの剣と三年前に落されたクリスタルの剣=聖剣を彼にあげてしまったのだという。
こうなったら、今度はその男性を探し出して聖剣を返してもらうほかない。勇者たちは精霊に、その男性の特徴を尋ねた。すると、精霊は。
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