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二人でベッドの中でまどろんでいると、鈴音さんのスマホが震える。
のっそりと手を伸ばしてスマホを見た鈴音さんが首を傾げる。
「どうしたの?」
「迷惑メッセージ、かな?」
鈴音さんが不思議そうに言う。
「なんで疑問形?」
「うーん。なんか迷惑な感じじゃないメッセージだから。」
鈴音さんがスマホの画面を俺に向ける。
『大丈夫だよ。』
店名や商品名はなく、いかがわしい画像もなく、クリックしてはいけなそうなURLもない。ただ、これだけが送られてきていた。
「間違いじゃない?」
「うん、そうかもね。」
鈴音さんがスマホを置き、俺に抱きついてくる。
俺は鈴音さんの背中に手を回し、頭に顔を埋めて髪の香りを嗅ぐ。
「幸せ。」
呟くと、俺の胸元で鈴音さんがクスクスと笑う。
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