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すると、突然、扉が開いたから、俺と鈴音さんは驚いて小さく飛び上がる。
中からひょこっと顔を出した男性が、俺たちをみて
「あ、驚かせた？ごめんね。」
と微笑む。
「いえ、こちらこそすみません。入口前で。」
「いいの、いいの。入る？」
「あ、いえ。」
俺が小さく手を振ると、男性は鈴音さんに視線を移す。
俺もつられて鈴音さんを見ると、男性の後方、開いたドアの中をジッと見ている。
「中、気になる？」
男性に聞かれて、鈴音さんがハッとする。
「あ、すみません。外観より広そうに見えたので覗き込んでしまいました。」
「そうそう、中は意外と広いよ。入りなよ。」
男性はクルリと向きを変えて、中に戻っていく。
鈴音さんと顔を見合わせて躊躇していると、またヒョコッと顔を出して
「怪しくないよ。って言うのが一番怪しく感じるだろうけど、怪しくないから。」
と微笑まれる。
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