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「幸せそうでなにより。」 日野が微笑む。 「ありがとう。」 俺が微笑み返すと、みんなが眩しそうな顔をする。 「王子っぷりは健在だわー。これじゃ鈴音さんも気が気じゃないね。」 「大丈夫だよ。俺、鈴音さん一筋だから。」 「はいはい。」 別の話題に移り、みんなが楽しそうに笑う。 俺は、微笑みながら他のことを考える。 田島と北見の挙式がなくなってホッとするなんて、友達失格だな。 二人の挙式には、同期は家族で招待される予定だった。 俺の婚約者の鈴音さんも。 たぶん鈴音さんは喜んで参列し、楽しそうに笑って一日過ごしたに違いない。 でもきっと、俺の同期が親になっているのを見て、こっそりと落ち込んだはずだ。 自分は子どもを持てるのだろうか、と。 俺に子どもを持たせてあげられるのだろうか、と。
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