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「しかもね、小松屋は大きな扉の小さなお店なんだけど、しょっちゅう場所変わるんだって。」 「フランチャイズ?」 「じゃなくて、1店舗が点々と移動してるらしいよ。すぐなくなって、他の所に出店してるって。」 「なんで?」 「さぁ?」 語り部の日野が首を傾げてしまったから、俺たちはどうしようもなくなる。 しばらく、5人で見つめ合ったあと、また日野が口を開く。 「でね、最近目撃情報が出てるのが、佐々木が住んでる地域なの。」 それで、見たことあるかと聞かれたのか、と、やっと納得する。 「見たことも、聞いたこともないよ。」 「そっかー、残念。」 「日野、行きたいの?」 「うーん、怪しいから私はいいや。誰かに行ってみてほしい。」 日野がペロッと舌を出し、みんなが苦笑する。 「都市伝説みたいなもんだな。」 香田が言い、俺は頷く。
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