97人が本棚に入れています
本棚に追加
部長が感心するように言ってから、ふぅ、とため息をつく。
「普段はほら、なんだっけ。あの……アレ。えー、アレ。ケンカしてばっかりで、そう、『けんかっぷる』なのに」
「「カップルじゃありません」!」
あやみの声と伶の声が見事にハモり、二人で顔を見合わせた。
やめて欲しい。
そんな風に息が合っているみたいに言われたら──。
あやみは盛大にため息をついた。ただし心の中で。顔はあくまで平静を装おう。
ふと視線を感じ、顔を上げる。伶と目が合った。
合った目はすぐに逸らされて。
あやみはじわりと胸が痛かった。
最初のコメントを投稿しよう!