アイリッシュ・パブで昼食を

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 ヤスヨさんはわたしより7つ歳上で、今の職場の同期だ。  派遣社員として同じ月に就業を開始し、研修期間の苦楽を共にし、昼休憩を共に過ごすことですっかり仲良くなった。  他にも何人か同期入社はいたのだけれど、あっという間に辞めてしまったり、最初からどことなくよそよそしさを感じたりして、心許せる相手はヤスヨさんだけになっていた。  社食ではなく外でランチしないかと初めて誘われたとき、心の中でどれほど舞い上がったことだろう。  ふたりの子持ちにはとても見えないスタイルと、徹頭徹尾垢抜けたファッション。品の良さがしみついた振る舞いに、圧倒的な知識量と語学力。自分の周りにはまったくいないタイプの女性だ。  この人だ、こういう人と関わりたかったんだと痛烈に感じた。自分にも姉がいるけれど、主体性がなく妹のわたしにすら甘えるタイプで、こんなふうに憧れの対象にはならなかった。わたしが求めていたのはヤスヨさんのような人だった。  羨望オーラを受け止めてくれたのか、引き出しの少ないただの主婦であるわたしをヤスヨさんはいつも対等に扱ってくれる。
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