俺と彼女と邪神官クリケッツ

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 夕暮れの河川敷にて……  彼女とのデートも終盤に差し掛かり、俺は秘密のプレゼントを鞄から取り出す。  彼女が好きだと言っていたサムライスピリッツのΩレアパック。  オタク気質のある彼女に寄り添った、我ながら最高のプレゼントだ。 「さあ、開けてみてよ」 「いいの?ありがと!」  彼女は満面の笑みを浮かべて、パックを開封する。  中には8枚のカードが入っていて、その中にはホロ加工、とかいうキラキラとしているカードもあったけれど、彼女の反応を見るに、どうやらそれはハズレらしい。  彼女が指差したのは、緑色のカード。 「このカード、自分のスピリットの召喚時に発揮する効果をアタック時にも発揮できるようにする効果を持ってて……とにかく強いんだ!嬉しい!」  陽キャの俺にはさっぱり意味がわからないが、喜んでくれたのは確からしい。  話を合わせようと、そのカードの表記から話題を探す。  名前が「邪神官クリケッツ」……  そうだ!  俺達が今晩迎えるであろう、あの展開に向けて軽くジャブを入れるチャンスだ! 「クリケッツって名前、えっちだね」  その瞬間、俺に降ってきたのはジャブではなく、ガッチガチの右アッパーだった。
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