近づく気持ち

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「あ、そういえばさ」 篠田は、思いついたように創太にいった。 「来週末、樹の誕生日なんだ。良かったら、黒川くんも…」 言いかけて「ごめん」と篠田は、顔の前でブンブン手を振った。 「そんな毎週、誘われても困るよな!ごめん、忘れて!」 と必死に謝ってこられた。 「え?誕生日なんでしょ?いいですよ。俺、特に何も予定ないですし。いっくんのお祝いしたいです」 創太が言うと、樹は、ぱっと破顔した。 「お誕生日きてくれるの?そーた、あ、そーたお兄ちゃん」と樹なりに気を遣って言ってくれる。 「うん、お兄ちゃん来てもいい?いっくん」 「うん!やったあ!」 樹は、わーい、喜んでいる。 創太は、樹が可愛くて、ぎゅっと抱きしめた。 「ありがとな、黒川くん」 篠田に優しい目で見られて、創太は、少し緊張する。 こんな楽しい週末は、久しぶりだった。
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