近づく気持ち

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「遅くまでお邪魔しました。 ご馳走さまでした。」 夜9時。篠田は、創太をアパートまで送ってくれた。  樹は、チャイルドシートですっかり眠ってしまっている。 「こちらこそありがとう。ほんとに楽しかった」 篠田は、車から降りて創太の自転車を降ろしてくれた。 「じゃ」 二人で、少し見つめ合う。 「また会社で」 篠田は、手を出した。 自然に二人で握手を交わす。 創太は、なんだか不思議な気分だった。 部屋に帰ってからも、なんだか頭が冴えてなかなか眠れなかった。 ごそごそと刺繍の材料を出す。 いっくんの誕生日プレゼントに恐竜を刺繍してやろう、と思いたった。
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