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「あ、途中で、寿司屋とピザ屋に寄らせてもらうね」
運転しながら篠田が言う。
「わーい、ぴ、ざ、ぴ、ざー」
樹が喜んでいる。
「いつもご馳走になってしまって」
創太が言うと「何言ってんだよ、こっちがお願いしてきてもらってるのに」と篠田は言う。
「あ、大丈夫だったかな?寿司とピザで」
「もちろん!寿司とピザが嫌いな人なんてなかなか居ないでしょ?」
創太が言うと篠田は、確かに、と笑った。
途中で、注文したものを受け取り、篠田の家に到着した。
「お邪魔します」
創太が言うと、樹も真似をして「おじゃまます!」などと言っている。
「どうぞ、今日は、少しだけど片付けたから」と篠田は言って部屋に入れてくれた。
この前来たときよりも、確かに空間が増えている。
「いっくんもお片づけしたよ」
と樹は、得意になっている。
「そうなんだ!いっくん凄いね」
創太は、そう言って樹の頭を撫でた。
「なんか、妬いちゃうな」
篠田が不意に言う。
「え?」
「樹はいいなあ、創太お兄ちゃんに頭撫でて貰って」
「何言ってんですか」
創太は、笑う。
なんだか篠田が少し可愛く思えた。
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