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お寿司とピザと、ケーキでお祝いをした。
ケーキの上に3本のロウソクを立て、篠田が火をつけた。
♪ハッピーバースデーディアいっ~く~ん…♪
歌い終わると樹はぷぅ~と唇をとがらせて、ロウソクの火を消す。
「わあー、上手!いっくんおめでとう!はい、プレゼント」
パチパチと拍手をして創太は、包装したプレゼントを渡した。
「わあーい!」
樹は、すぐにガサガサと包みを開けようとした。
「気を遣わせてしまって悪いな」
篠田が申し訳なさそうに言う。
「いえいえ!そんな大したものじゃないんです」
創太は、なんだか恥ずかしくなってきた。
樹は、上手く開けられずに、ビリビリっと包装紙を破いた。
「わあー!リュック!わあ!ふたばしゆじゅきりゅうー!」
樹は、大興奮で、創太のプレゼントをブンブンと振り回してから、ぎゅうっと抱きしめた。
「樹、ありがとう、だろ?」
篠田が言う。
「うん!ありがとー!そーた、だいしゅき!」
ぎゅっとしがみつかれて、創太も樹を抱きしめた。
「良かったー!気に入ってくれて」
「どれ見せて見せて」
篠田が手を出してくる。
「だあめー!」
樹は、リュックを後ろに隠した。
「なんでだよー。見せてくれよー」
と篠田が樹を追いかけてクルクルと回る。
キャッキャッと樹は笑って逃げ回った。
創太も楽しくて笑った。
幸せな時間だった。
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