誕生日

3/6
前へ
/57ページ
次へ
お寿司とピザと、ケーキでお祝いをした。 ケーキの上に3本のロウソクを立て、篠田が火をつけた。 ♪ハッピーバースデーディアいっ~く~ん…♪ 歌い終わると樹はぷぅ~と唇をとがらせて、ロウソクの火を消す。 「わあー、上手!いっくんおめでとう!はい、プレゼント」 パチパチと拍手をして創太は、包装したプレゼントを渡した。 「わあーい!」 樹は、すぐにガサガサと包みを開けようとした。 「気を遣わせてしまって悪いな」 篠田が申し訳なさそうに言う。 「いえいえ!そんな大したものじゃないんです」 創太は、なんだか恥ずかしくなってきた。 樹は、上手く開けられずに、ビリビリっと包装紙を破いた。 「わあー!リュック!わあ!ふたばしゆじゅきりゅうー!」 樹は、大興奮で、創太のプレゼントをブンブンと振り回してから、ぎゅうっと抱きしめた。 「樹、ありがとう、だろ?」 篠田が言う。 「うん!ありがとー!そーた、だいしゅき!」 ぎゅっとしがみつかれて、創太も樹を抱きしめた。 「良かったー!気に入ってくれて」 「どれ見せて見せて」 篠田が手を出してくる。 「だあめー!」 樹は、リュックを後ろに隠した。 「なんでだよー。見せてくれよー」 と篠田が樹を追いかけてクルクルと回る。 キャッキャッと樹は笑って逃げ回った。 創太も楽しくて笑った。 幸せな時間だった。 
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

229人が本棚に入れています
本棚に追加