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出逢い
「おい、トロ川!お前、その作業いつまでかかってんだよ!こっちまだこんだけ荷物あるんだからな!」
年齢は、確か1個下だったけれど、バイトでは、2年先輩の高山にまた怒鳴られる。
「すいません!」
創太は、謝ることしか出来ない。
倉庫の中は、ある程度空調が効いているものの動き回っているので、汗が止まらない。
届け先ごとに荷物を仕分けしていく単純な作業だけれど、創太は、間違いがあってはいけないと、最初に習った通り二度確認する。
確認なんか1回しかしてないよ、とみんなは言うが、創太は、どうしても手抜きが出来なくて作業が遅くなる。
高山はそれをいつも見ていて、要領よくやれと、言ってきた。
創太は、高山のことが怖くていつもビクビクしてしまう。
茶髪にピアス、吊り上がった眉まで茶色く染められていて、切れ長の目で創太を威嚇する。
じろりと睨まれて「全くトロいな、お前は!ほら、こっちやってやるから!早くそっちやれ!」
「はい、すいません」
泣きそうになりながら、作業を進め、やっとのことで、お昼休憩になった。
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