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篠田が洗濯をしている間に、創太はキッチンを片付けて、寝室の布団を畳み、気になっていた散らかった洋服やタオルも全部畳んだ。
樹は、おてちゅだいするぅと言って、ハンカチやタオルを一生懸命畳んでくれる。
「うん、綺麗になったね、いっくん」
二人でハイタッチをする。
篠田が覗きに来て、「お!ありがとう」と礼を言った。
「じゃ、用意して出かけよう」
篠田は、そう言って樹の水筒に麦茶をいれ、タオルと一緒にリュックに入れる。
樹が遊ぶお砂場セットとボールを袋に入れて持った。
「少し歩くけど」
外に出ると初夏の陽気だった。
篠田は、樹にポンと帽子をかぶせて手を握る。
…いいお父さんだなあ…
創太は、二人の後ろについて歩きながらそんなことを思う。
「そーたお兄ちゃんもおてて!」
樹が空いているほうの手を創太に向かって伸ばしてきた。
「あ、うん」
創太が樹の手をぎゅっと握ると樹は顔を上げてニッコリ笑う。
樹を真ん中にして三人で手を繋いで歩いた。
なんだか、家族みたいだ…
創太は、嬉しくなる。
歩いているうちに段々と汗ばんできた。
途中でコンビニに寄って、買い物ついでに涼ませてもらい、公園に到着した。
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