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夕方、三人で電車に揺られて帰った。
樹は、篠田に頭を凭れさせて眠ってしまっている。
「疲れただろ?」
篠田は、前に座る創太に聞く。
「大丈夫です。課長こそ疲れたんじゃないですか?」
「おいおい、歳だからってバカにしてるだろ」
篠田は、創太に怒るフリをする。
「まあ、ひとまわり違いますからねえ」
創太がふざけると、篠田はたのしそうに笑っている。
「あ、それと」
「何ですか?」
「職場以外で課長は無いよなー」
「あ…」
創太は急に恥ずかしくなる。
「はい…。隆之さん」
篠田は嬉しそうにウンウンと頷いている。
なかなか慣れないけれど、やっぱり幸せを感じた。
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